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コンセプトのつくり方

 

コンセプトのつくり方 たとえば商品開発にも役立つ電通の発想法

コンセプトのつくり方 たとえば商品開発にも役立つ電通の発想法

「コンセプトのつくり方」山田壮夫

コンセプトは経験的世界という暗闇から物事を照らし出す「サーチライト」です。 

 

商品開発の現場で、コンセプトが最も大事であることを叩き込まれてきた。なんとなくコンセプトって、こういうもの、と理解はしていたが、初めて、短い言葉で、それを美しく定義した文章に出会った。

 

筆者は、コンセプトが無ければ、何も見ることができないという。「切る食器」というコンセプト(フォーク)、「刺す食器」というコンセプト(ナイフ)によって、暗黒の世界がサーチライトで照らされ、人間の認識が始まる。

 

ジャック・デリダのいう、人間は言葉で認識しうる世界しか認識できない、という話に近い。

 

だから、イノベーション・新商品開発は、今ある常識をもとに、新しい常識を見つけること=新しい世界の照らし方を見つけること、と言える。

 

世界は発見されることを待っているのである。いい開発者は、いい発見者であり、モノの見方を変えることができる。

 

たとえば、サウスウエスト航空は、飛行機の新しい価値、「空飛ぶバス」というコンセプトを発見したことで、LCCの元祖とも言えるサービスを生み出した。

 

開発という言葉には、無から有を生む、0を1にする、エジソン的イメージがつきまとうが、実際は、すでにあるものを上手く見つけて価値を生み出す、宝探しみたいにワクワクするプロセスなのだ、と思う。

 

コンセプトのつくり方(山田壮夫)

コンセプトの定義だけでなく、価値の発見の仕方、発見を言葉にしてコンセプトを捕まえる方法論まで、電通出身の筆者が分かりやすく解説する。平易で使い勝手のいいフレームワークや事例も豊富であり、イノベーションに必要な思考方法まで解説。商品開発者やマーケター必読の1冊。