好きな一行、本読まなきゃ。

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ドラッカーと陸軍

 

燃ゆるとき (角川文庫)

燃ゆるとき (角川文庫)

 

 高杉良「燃ゆるとき」

旅順の予備士官学校時代は、その後の人生にとっても貴重な勉強をした。(中略)「部下を信頼せよ、と同時に部下に信頼される行動をとれ」ということ。また「命令は必ず遵守せしめよ。しかし自ら不可能なことを命令するなかれ」

 ブラック企業的なイメージがあった陸軍のマネジメントに、こんな教えがあって驚いた。日本と正反対のイメージがある欧米のマネジメント手法に通じるものがあったからだ。欧米人のリーダーからは、こう言われている。

 

 「マネジメントは、自分でなく、部下の手を動かし、部下に成果をあげるアート」

 「部下を信じて、彼らの強みをオーケストラするのがリーダー」

 「つまり、部下の得意なことを組み合わせて成果を紡ぐ編集者であること」

 

部下に成果をあげさせる(部下を信頼せよ)、得意なことに特化させる(不可能なことを命令するなかれ)。

あのドラッカーさんも「マネジメントは、生産的な仕事を通じて、働く人に成果をあげさせなければならない」と言っている。

 

得意なことで、何かに貢献できる社会。やりたくないことから逃げても、得意なことで、自分の居場所をつくれる社会。

トイストーリー3で、おもちゃ達が個性を活かして、サニーサイド幼稚園を脱出したシーンみたいに。

誰だって、自分にしかできないことで、人の役に立つのは嬉しい。

陸軍、ドラッカー、東洋水産のマネジメントへつながる「人を信じて活かす思想」が、日本のリーダー層にもっと広がれば、生きやすくなるのに、と思った。陸軍の時代からある考えなのに、なんで消えかかっているんだろうか。。

 

燃ゆるとき

生存率4%のノモンハンの激戦を生き抜いた元陸軍士官であり、東洋水産創業者の森和夫を中心に、マルちゃん、赤いきつね等で有名な東洋水産の草創期から、日清食品との攻防、グローバル企業になるまでを描いた経済小説。